ブログ「タイマッサージの真実」 - 最新エントリー

スクールで学ぶこと(6)

カテゴリ : 
タイマッサージスクール
執筆 : 
camel 2013-12-13 10:22
前回、ピシェット師について色々と書いてみたが、私はピシェット師が嫌いなわけではない。むしろ好きだ。オールドメディソンホスピタルのシントーン大先生と喧嘩して首になり、自分のスクールを立ち上げて本家を上回るほどの人気と評価を勝ち得、金持ちになり、自由な時間も弟子も得た。その自分の王国を短期間で一人で作り上げてしまった彼の人生は痛快この上ない。彼は商業主義を否定するが、皮肉なことに商業的に最も成功したタイマッサージ師であると言っていい。私は彼のおかげでタイマッサージの本質的なことを明確に意識することができるようになった。スクールのあり方についても多くを学んだ。ピシェット師を神とは思わないが、タイマッサージへの眼を開かせてくれたタイマッサージの師匠の一人として、また、スクールの経営者として尊敬している。

ところで、話は戻るがCCAではタイマッサージの本質は学べないと書いてしまったが、実はそんなことはない。グループレッスンを受けるだけでは学べないが、CCAにはそれを補完するカリキュラムの考え方がある。
リピートレッスンと、プライベートレッスンである。
CCAでは受講料を払うと、同じレッスンを2回受けられることを説明される。実はここに深い意味がある。タイマッサージを学んだことのない人に、私が今まで書いてきたような小難しいことを説明しても、まったくイメージが湧かない。だから、とにかく、まず一回習ってみなさい。というのが一回目のレッスンだ。そして、日本に帰国したら、それを繰り返し行い、あるいは二人で練習し、タイマッサージの本当の気持ちよさはどうすれば実現できるか考えてきなさい、という期間が与えられる。もちろん何も考えずに練習しても意味はないが、こうすると気持ちがいいとか、やる人によって気持ちよさが違うな、とか課題意識を持って取り組むと色々な疑問や仮説が生まれて来る。
その段階で、リピートレッスンを受ける。更に、プライベートレッスンを受ける。これが大事だ。施術の手順や基本的なテクニックを覚えた後に(←これが大事。手順を覚える前にプライベートを受けるとグループレッスンで習うのと同じこと(手順)を習うだけになってしまう)、タノン先生やキム先生のプライベートレッスンを受けると、グループレッスンで教えたよなことはもう教える必要がないので、より深いことを教えてもらえる。どうすれば気持ちがいいか、どういう体の使い方をすればもっと楽にできるか、センやポイントの正確な位置、タイマッサージを上手に行うための本質的なポイントに踏み込んで教えてもらえる。インストラクターコースとかインターン制度もあるが、プライベートレッスンを活用することがタイマッサージの本質をつかむ早道だと思う
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スクールで学ぶこと(4)

カテゴリ : 
タイマッサージスクール
執筆 : 
camel 2013-12-11 16:29
通常のスクールのグループレッスンでは教えていなくて、ピシェット道場では教えていることは以下の3点である。

1)心のあり方
2)トリガーポイントの触診
3)正しい体の使い方

これだけのことなのだが、それぞれが奥が深く、トレーニングには時間がかかる。一つ一つ説明していきたい。
まず、心のあり方。これは施術者が心身共に健康であることを日常的に目指すことである。澄み切った、思いやりに満ちた心で相手に接しないと相手の体の状態を感じることができない。自分自身がリラックスしていないと力みが相手に伝わったり、手に汗をかいたり、手が冷えたりする。自分の体に故障があると加圧の際に歪ができ、手技がスムーズに決まらないだけでなく自分の体を更に悪化させてしまう。自分の心が病んでいると指先、全身から悪い気が出てそれは相手に確実に伝わってしまう。といった様々な理由があり、まずは自分の心と体をいつもいい状態にすることが施術者の務めである。具体的には、日常的に運動、ストレッチ、ヨガ、正しい食事を行い体の健康を保つ。そして、毎朝、お経を唱え、瞑想をすることで心の健康を作る。となるが、ピシェット道場で推奨されているように仏教徒になることだけが心の健康を作るわけではないし、仏教徒になれば必ず心が健康になる保証もないので、人それぞれの方法で心の健康を作ればいいと思う。
とはいえ、瞑想やストレッチ、筋トレをすべて含むヨガを日常的に行うことが、体と心の健康を作ることは確かなので、宗教色の薄いフィットネスとしてのヨガを行うことはセラピストにとっていいことだろう。

次に、トリガーポイントの触診。これはピシェット道場ではセンシングと言われることで、相手の体を触って、指圧すべき筋肉やトリガーポイントを見つける技術である。初めての人はこれがトリガーポイントだと言われても、そこを触っても、よくわからないのが普通だが、数多くの体を触っているうちにわかるようになる。それは、どの体もトリガーポイントができる位置がほとんど同じであること、そして、その人の姿勢や症状からトリガーポイントのできる場所の予測ができるようになるからである。指先だけでなく、関節の可動域の確認や、相手の体全体が発する雰囲気を感じ取るセンスや、解剖学の知識が必要なため、トリガーポイントを触診する能力は個人差が大きいが、繰り返し色々な体を相手に施術をし、常に、相手の体の状態を感じることを意識することで経験的にこの能力は身に付く。ただし、何も考えずに施術している限り、何年経っても感覚は磨かれない。その意味で最初にセンシングの概念をしっかり理解し、日々の施術はそのトレーニングであるという意識で行う必要がある。このセンシングの感覚を最大化するのに最も重要なことは、前に述べた、自分の体と心の健康であることは言うまでもないだろう。

最後に、正しい体の使い方。トリガーポイントを加圧したり、凝った筋肉をストレッチする際に、無理のない体のさばきで、施術者がスムーズに手技を決めないと相手に不要な痛み、不快感を与え、筋繊維を損傷して揉み返しの原因を作り、筋肉や人体、骨を損傷する危険もある。安全で、効果的で、気持ちのいい施術は、施術者の正しい体の使い方によって実現される。
そして、正しい体の使い方をしないと施術者自身が自分の体を痛めることになる。腰を痛め、指を痛め、体に歪を作り、施術を行うことが苦痛になり、体を壊してしまう。
では正しい体の使い方とは具体的にどういうことなのか? それは、施術者の体は錘の付いた構造物であるということを理解することである。体を相手に圧力をかける道具だとみた場合、脊柱や腕といった骨格は力を伝える梁(はり、span、棒)であり、ついている肉は力を与える錘(おもり、重さ、質量)である。力を伝える棒をトリガーポイントにセットしてまっすぐに重さを伝えていくのが手技である。このときに施術者の関節に負担をかけず、筋力を使うことなく最大の荷重をかける方法を習得するのだ。簡単に言えば背筋を伸ばし、適切な加重となるポジションを取り、丹田を寄せるようにゆっくり圧を高めていく。指や足でポイントを直接加圧することもあれば、足や膝、肘をポイントにセットして両手で相手の体を引くこともある。施術によって行うことは異なるが、基本は同じである。やり方を聞くと簡単なことなのだが実はそんなに簡単ではない。ゴルフはボールをクラブで打つだけの簡単なことだがボールを真っ直ぐ飛ばすのは物凄く難しいのと同じことだ。正しいフォームを繰り返し練習するだけでなく、スポーツ競技を行うときのような邪念のない心、そして、体の柔軟性や施術を安定させる筋力(ここでいう筋力は圧を強めるための筋力ではなく、自分や相手の骨格を支えるときに体を痙攣、振動させないための筋力)が必要なので、やはり第一番目に説明した自分の体と心の鍛錬が必要となる。

ピシェット道場では、これらのことを一つ一つの施術について、お互いに納得できるまでじっくりトレーニングする。だからスクールではなく、道場と呼ばれる。しかし、道場でのトレーニングを行えば必ず身に付くというものでもなく、毎日の施術を心を込めて繰り返し、10年くらい経てば少しいい感じでできるようになることだと思う。その意味で、ピシェット道場に数日滞在しようが、数か月滞在しようが、いいタイマッサージを行うためのきっかけ(ヒント、出発点)を得るという意味では同じことであり、そこからどれだけタイマッサージへの理解を深め、技術を極めていけるかは本人のモチベーション次第だと思う
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スクールで学ぶこと(3)

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タイマッサージスクール
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camel 2013-12-4 13:52
タイマッサージの施術は1〜2時間、連続して行うので、それができるようになるには、一つ一つの手技とその順番を覚えればいい。別の言い方をすれば、施術は連続しているが、個々の手技に分解することができる。順番を覚えるのは単純に暗記物なので、ひとつひとつの手技をきっちりできることを学ぶのが実技のレッスンである。細かいことを言えば、手技と手技を滑らかに繋ぐということもテクニックの一つだが、それも手技の一部分と言えるだろう。

チェンマイクラシックアートのレベル3、レベル4では、ものすごい数の手技を一日8時間、3日間に渡って習得するのだが、その中には、ピシェット師が教えている手技が多数含まれる。びっくりすることは、ピシェット道場で一日かけて学ぶことが、ほんの数分のデモンストレーションと、一回だけの練習で終わってしまうことである。CCAではピシェット師が数か月かけて教えることを3日間で終えてしまうのである。私は先にピシェット道場に行き、後でCCAに行ったので、CCAで驚いたが、CCAで習った人がピシェット道場に行くと、レッスンの進行の余りの遅さに逆に驚くだろう。そして、自分がCCAで習得したつもりになっていた手技をピシェット道場でやって、100%のダメ出しをくらい、衝撃を受けるに違いない。何がだめなのか、どうすればいいのかはピシェット道場に行けばわかる。実は、手技の一つ一つはそれ程に奥深いのである。

これはCCAが悪いわけではない。ほとんどすべての外国人向けのタイマッサージスクールで言えることなのだが、短期滞在の受講生のために、決められた時間、料金で一気に教えなければならないからこうなる。一つ一つの手技を、すべての受講生ができるまでやっていたら授業が終わらないのである。そんなレッスンをしていたら低価格なグループレッスンを決まった日数で開催することなどできないし、短期間で一気に一通り習ってしまいたい人(がほとんどなのだが)にとってはありがたいシステムだ。

ピシェット師はこのようなスクールのあり方に疑問を持ち、現在のようなピシェット道場を設立した。そして、そのようなスクールのあり方に賛同する人たち、あるいは、今まで習ってきたつもりだったが本質的なことを全く習得していなかったことに衝撃を受けた人たちが多数、ピシェット道場に通っている。その意味で、ピシェット道場は外国人が長期間かけて技術を磨くことができる希少なスクールであると言えるのだが、あまりにも日数がかかること、そして、宗教色が強すぎるため、万人に薦められるスクールではない(信者になるかどうかは本人次第だが、数か月〜数年の滞在のために、日本での人生を一旦捨てて社会からドロップアウトし、マッサージどころか人生自体を0からやり直すことになってしまいやすい)ことが残念だ。ただ、ピシェット式をすべて習得することはできないが、数日間だけでも通うことで、通常のスクールでは習っていなかった大事なことがあったのだという気付きにはなると思う。

次回は、ではピシェット道場では何をそんなに時間をかけて習得しているのかを説明してみたいと思う
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スクールで学ぶこと(2)

カテゴリ : 
タイマッサージスクール
執筆 : 
camel 2013-12-2 12:10
日本でもタイ古式マッサージのスクールは増えている。WEBサイトの講師プロフィールを見ると、ものすごい数のタイのスクールを修了している人が多い。「タイマッサージのあらゆるテクニックを習得済みです」とPRしているように見えるが、そういうことではないと思う。私もそうだったが、一つの学校を終えても自分のタイマッサージが完成したとは思えず、自信もなければ確信もない。そんなとき、他の人の施術を見ると自分と全然違うことをやっている。その人が知っていて自分が知らないことがあると思うと、自分のタイマッサージにはまだ欠落しているものがある、まだまだ習っていないことがあったんだ! と思い、それならその人が学んだスクールで学べば自分に足りないものが補完され、タイマッサージを習得できたという確信が持てるようになるはずだ、とある意味安心して、とりあえず受講する。
ところが、そのスクールを終えても、自分の未完成感は依然として解消されない。自分が施術者として、あるいは先生として、タイのスクールの先生レベルになったとは到底思えない。
悶々と日々を過ごしていても仕方がないので、別のスクールにも行ってみる。受講料は驚くほど安いし、どのスクールも一週間〜一か月で修了するので受講はお気軽だ。その繰り返しの結果、数多くのスクールのディプロマが並ぶことになる。その結果、タイマッサージについて確信が得られたかどうかはわからない。確信を得た人もいるだろうし、一応学ぶことは全て学んだのだから完成したのだろうと思ってみたり、やはりタイマッサージの勉強に終わりはないと割り切った人もいるだろう。最悪なのはいくつかのスクールで修了したので自分のタイマッサージは完璧だと錯覚してしまうことだが、多くのスクールに行く人に、そういう人は少ないと思う。

一方、タイでスクールの先生をしている人は一般的に多くのスクールには行かない。金銭面の理由もあるが、言葉の問題がないため、一つのスクール、または団体で長く、深く学ぶ機会が与えられるからだ。ワットポーの先生はずっとワットポーで学んでいるし、チェンマイスタイルの先生は基本的にはオールドメディスンホスピタルで長期間学んでいる。それ以外には、タイ厚生省や大学が提供するカリキュラムが本格的なものだろう。どれも、タイ人が対象なため外国人が入る余地はない。先祖代々、マッサージの技術を受け継いでいる家系もあるだろうし、寺に伝わるマッサージもあるが、タイ人は一か所で長期間学ぶことで技術を完成させる(完成しようと努力する)。逆に言えば、日本人は一か所に留まることが許されていないため、スクール放浪の旅に出ざるを得ない。しかし、どのスクールも初心者向けのレッスンしか提供していない。そこに、超えられない壁がある。

なぜ、タイの先生を越えられない壁があるのか? その理由は、タイ国、タイのスクールが、タイマッサージの技術は国内の貴重な資源として国外に流出させないという基本方針があるからである。しかし壁があれば乗り越えたいと思うのが人情である。タイマッサージを長期間かけて深く学ぶとはどういうことなのか、何を学んでいるのか? 次回以降で、文章化してみたいと思う
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スクールで学ぶこと(1)

カテゴリ : 
タイマッサージスクール
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camel 2013-12-2 11:24
教えるということは難しい。どういう教え方をすれば効率よく、確実に学んでもらえるのか、いつも考えているが一人で考えていても仕方がないので時々他のスクールを見に行くことにしている。時間が許せば、実際に受講して、生徒さんの気持ちになってみることにしている。
この前行ってみたのは、チェンマイのCCA(チェンマイクラシックアート)。2回目の訪問だが色々と思うことがあった。今回は、「スクールで何を学ぶのか、どう学ぶのか」ということを何回かに分けて考えてみたい。

タイマッサージスクールのカリキュラムは大きく分けると実技と座学になる。タイのスクールでは言葉の問題もあり、座学については実技の合間に簡単に説明するだけか、書物やネットでの自習するシステムにしているところが多い。タイマッサージの歴史やマナー、心がけのようなことは読めばわかる。CCAのWEBサイトに掲載されていることで十分だろう。解剖学についてはいい本を買って、自分でゆっくり勉強すべきである。凝りやトリガーポイントについてある程度理解すると、タイマッサージで自分がしていることが何なのかイメージが湧き、技術の向上を考えるときの基準ができる。

問題は実技である。マッサージを全くやったことがない人は、マッサージというのは「どこを」「どうやって」施術すればいいのか学べば大丈夫だろうと考える。具体的なイメージとしては、ポイントを指圧する、筋肉をストレッチするということを一つ一つ覚えて、順番にやればいいのだろうと考える。
それはそうなのだが、なぜか、人によって施術の気持ちよさは劇的に異なる。同じことをやっているはずなのに、気持ちいい人、不快な人が明らかに存在する。いや、初めてのころは恐らくそれすらわからない。痛かろうが、気持ち悪かろうが、タイマッサージとはこういうものかと思い、いい、悪いの判断もできないと思う。

私の言っていることがわかってもらえるだろうか? 気持ちがいいことくらい猿でもわかる、と思われるかもしれない。しかし、実際にはそうではないと思う。タイマッサージは音楽に例えることができるが、子供のころ、ショパンやベートーベンのようなクラシック音楽を聴いて、あるいは、マイルス デービスのようなジャズを聴いて感動できただろうか? 同じベートーベンでもカルロス クライバーが指揮をすると別の音楽のように素晴らしいということが理解できただろうか? 少なくとも私にはわからなかった。タイマッサージもそういうところがある。まず、どういうマッサージがいいのか自分でわからないと技術の向上のしようがない。そこにまず個人差が存在し、感性の鋭い人=センスのいい人は、理解力も早いが、そうでなくても、日常的にタイマッサージに接していると感性は磨かれる。音楽(聴覚)もマッサージ(触覚)も、繰り返し経験することで脳内のニューロン、シナプスが成長し、体がその良さを覚えるようになる。体への触覚刺激は最初はくすぐったかったり、痛かったりしたことが経験を重ねることで快感へ変わる、いわゆる体が開発される。

タイマッサージを学ぶ第一歩は、この、自分のマッサージに対する感性を磨くということから始まる。色々な人からマッサージを受けること、名人と言われる人にやってもらうこと、スクールで生徒同士で練習すること、先生にやってもらうこと、何でもいいが、繰り返し受けることで体が開発され、自分にとって気持ちがいいマッサージはこういう感覚だどいうことが確信を持ってイメージできるようになる
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お店の閉店

カテゴリ : 
スクール経営
執筆 : 
camel 2013-9-11 0:00
このところ、立て続けに寂しいことがあった。

まずは、三軒茶屋のサンクチュアリというバー。フーディアムの前に2年ほど前にできたスポーツバーなのだがこのバーがあるビルには因縁があり、私が三軒茶屋にヨガスタジオを作ろうと物件申し込みをしたのだが小さい会社はだめだと断られた。そのビルにあったバーだ。内装もとても豪華で、私が断られたビルに入っているのだから立派な会社だと思っていた。それを思い出して、2週間前に一度行ってみようと思い立った。行ってみるとそこには何もなかった。シャッターが下りていたので一階のパン屋でバーはどうなったのか聞いてみたら6月末で閉店したらしい。2年持たなかったことになる。
私を断ったビルなのでざまあみろと思いたいところだが、実際にはなんだか寂しかった。考えさせられた。私は別のところに入居して幸いなことに繁盛している。このバーがなぜ上手くいかなかったのかは想像に難くない。私も店を始めるときに店舗プロデューサーなる人から飲食店を勧められた。料理人も知らないしと断ると、カタログを取り出してきてこういうレトルトや冷凍食品でメニューなんかできる。飲食店は内装次第だと説得された。直感的に断ったが、そういう人種はそうやって相手をおだて上げ、高額な内装工事を受注することが目的だ。その後、その店がどうなろうと興味はない。そういう輩に引っかかったのだろうと思う。実際には内装などどうでもいい。飲食店をやるならどこよりもうまいことが唯一重要なことだ。バーならどこよりも居心地がいいことが大事だ。その見本が祐天寺の「ばん」なのだがそこについてはまた今度書いてみたい。
私が入ろうとしていた3階にはお好み焼き屋が入っていた。そこを覗いてみるとファミレスのようなきれいな店内に1組の客のみ。ここが潰れるのも時間の問題だろう。もし私がここにヨガスタジオをオープンしていたらどうなっていただろうか、家賃も高いし駅からも少し遠い。今頃サンクチュアリのようになっていたかと思うと背筋が凍る思いであると同時に、断られて余程運が良かったとも思う。

競合他社ではないが、意識していた店が潰れていくのは自分の店が潰れていくようで悲しく、寂しいものである。ライバルは元気であってこそ、こっちもやる気が出る。

ライバルと言えば、ヨガスタジオを始めたころ、素敵だなあ、あんな店をいつかやりたいなあ、と憧れていた麻布十番メローボーテも、川崎のカルナスタジオプラスも閉店した。最近では渋谷のwired fitも、私と同時期にヨガスタジオをスタートした六本木のportも閉店したらしい。どの店も私の店よりもずっと立派に見えたし、私の店をもっと良くしないとと刺激を受けた店ばかりだ。利益が出ていれば閉店する理由はない。赤字が続き持ちこたえられなくなって家賃が払えずに店は終焉する。内装工事がどれだけかかるかもよくわかるのでうまくいかずに撤退した経営者の気持ちが我がことのように心が締め付けられる。

今度、中目黒にもスタジオをオープンするが、スタジオを支えてくださっているメンバーの方々、そしてインストラクター達の日々の努力には本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。多くの方の支えで生かされているのだとしみじみ思う
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すぐ怒る人

カテゴリ : 
スクール経営
執筆 : 
camel 2013-9-10 22:19
すぐ怒る人がいる。

電話に出ると、ヨガスタジオに入れないらしい。その理由は、早く来すぎたためで、まだ前のレッスンが終わっていないからである。
その旨説明し、あと5分でレッスンが終わるので入れますとご案内すると、

「あなた、電話では早く来すぎると入れないことは説明しなかったですよね! そのときのひとですよね、責任者ですか、名前をフルネームで言ってください。」と激高し、「受付がやんないんですか、めんどくせえ」と悪態をついて突然電話を切った。女性である。自分が30分も前に来たことで5分待たされるというだけで、会ったこともない店長に「めんどくせえ」である。その方はその後ご入会いただいたので、私からは長期にわたってサービスを受ける立場である。その相手を初対面で暴言罵倒して、その後気まずくなるとか考えないのだろうか?
そもそももし私が同じ状況にあったならば、早く来すぎた自分が間抜けだったと苦笑するだけのことだ。そばに誰かがいて「もっと怒ったら」と言われたとしてもどうやって怒ったらいいのか困ってしまう。理由はわかったし、誰も悪くないし、相手は謝っているし、5分ほどぶらぶらしていればいいだけの話である。怒ることは疲れるし何より自分が気分が悪い。なぜこんなに瞬間的に怒りのエネルギーが沸き起こるのか不思議でならない。

以前別の人からも電話があった。「体調が悪いのでキャンセルしたいのですが」「承知しました。大変恐縮ですがご自身でも予約と同様、キャンセルはできますので、次回からは使ってみてください」

すると驚いたことに「はあ、こっちは直前なので親切のつもりで電話してるんですよ、それなのに何で説教されなきゃいけないんですか、悪かったですね、すいませんでした!」と激高してガチャンである。
言い方はもっときつかったと思う。親切なら、そんな言い方で人を不快にさせることは矛盾していると思うのだが・・・

病気なのだろうか、生理なのだろうか?
数百人に一人くらいの確率で、特に30才前後の女性にこのようなタイプの方がいるように思える。相手が怠慢とか、悪意を持った嫌がらせをしているなら攻撃的な言い方はあってもいいだろう。しかし、多くの場合は一生懸命やっている中でのちょっとしたミスや、逆に本人に原因があることも多い。自分が相手に迷惑をかけてしまったこともあるだろう。そんなときに「気にしなくていいですよ!」と気持ちよく許されたことはないのだろうか? あるに違いない。普通はそういう経験の蓄積で、相手に対しても、多少の失敗は笑って許してあげるものだ。ところが、この種類の人たちは、自分は許されて当然、相手は絶対に許さないらしい。なぜこういう人が出現するのか、こういう性向がエスカレートして内戦や戦争になるのか、人間の根源的な本能の一つなのか、単にカルシウム不足とか栄養失調による脳の変調なのか? 会社ではうまくやっているのか?子供のころに親から厳しくされたり虐待をされたのか? ゆとり教育や甘やかしで自分が偉いと勘違いしているのか?

色々と考えさせられるが、やはり、精神病の一種なのではないかと考えている
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タイのお薦めサロン

カテゴリ : 
タイマッサージスクール
執筆 : 
camel 2013-8-6 10:16
ヨガのメンバーの方からタイのお薦めマッサージサロンはどこかという質問をいただいた。

「来月タイに行ってき ます。せっかくなのでタイマッサージを受けたいと思います。おすすめなどありますか。(お忙しいところ厚かましいお伺いで、すみません。お手すきの時にでも教えて頂けると嬉しいです)」

お薦めは○○です。と即答したいところだが考え込んでしまった。ワットポー以外に思いつかないのだ。私がタイにいるときにも悩む。さあ今日はどこでタイマッサージを受けようかと考えたとき、遠くまで行くのもめんどくさく(自分でエクササイズをするのが面倒なめんどくさがり屋がマッサージを受けたいので)、結局、ホテルの中にあるサロンに行ったり、ホテルの横の安いサロンに行くことになる。そしてホテルの隣の安いサロンではほとんどの場合失望する・・・

質問した方には以下の回答をお送りした。

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タイのマッサージサロンですが、バンコクはタクシーでの移動は渋滞に巻き込まれ、地下鉄や高架鉄道は乗換とか電車を間違ったり、目的地まで結局タクシーを使うなど移動にずいぶん時間を取られます。ですので、以下のサイトで紹介している中で近いところに行くのがいいと思います。
または、とりあえずホテルの中にあるサロンに行っても値段は高くないはずです。ワットポー以外は結局、セラピストの当たりはずれで決まりますので、遠くまで行くよりホテルの方が当たりだったりすることもあります。

下記WEBサイトは私の感覚とかなり近いです。補足すると、ワットポーが一番手堅く、ヘルスランドがその次くらいです。有馬温泉は30年くらい前からスチュワーデスも通うサロンとして有名でしたが、私は行ったことはありません。

http://allabout.co.jp/gm/gc/378970/
http://allabout.co.jp/gm/gc/20545/

本当はスクールの先生にやってもらうのが一番ですが、予約とかちょっと面倒ですね。もしチェンマイに行かれるのでしたらものすごくうまい先生を何人か紹介しますのでお知らせください。

では気を付けて!
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補足すると、ワットポーというのは、ワットポー寺院境内とワットポーに隣接するスクール内にある施術所のことである。スクンビットにあるワットポーマッサージスクールスクンビット校併設のsuk39というサロンは別だ。ここは、ワットポー出身でないセラピストが多数雇用されているため、ワットポースタイルのマッサージを受けられるとは限らない。いや、受けられないことがほとんどである。

なぜワットポーがいいのかというと、それはワットポースタイルという手技にある。指をセットしてお尻を上げ下げするという極めてシンプルな動きを徹底しているのでセラピストの癖や個人差が出にくく、これが、下手な人に当たることがほとんどない理由だ。タイマッサージを習得しようとタイに行く方の多くは、長期間のコースがあるチェンマイに行き、ワットポースクールは観光スクールと蔑む方すらいるのだが、実は、ワットポースタイルを学ぶ方が上手なマッサージができる可能性が高い。

チェンマイにいる場合は、一般的な施術所としてはオールドメディソンホスピタルが安くて上手だが、ここも外れ(自分の好みではない)のセラピストに会うことはある。もし時間に余裕があれば、スクールの先生にやってもらうのが一番いいし、上手なタイマッサージはこういうものだったのかと、目から鱗が取れることだろう。受講生以外にもやってくれるお薦めの先生は、シンチャイ先生、チェンマイクラシックーアートのタノン先生、キム先生。痛いのが大丈夫ならワンディ先生、宗教教団の信者さん達に囲まれての施術が平気で遠くまで行ってもいいならピシェット先生。
ターペ門近くのレックチャイヤスクールの二人の先生も素晴らしく、料金が高くても近くがいい方には最適だ。
その他のスクールの先生ももちろん素晴らしいと思うので、一般の人に施術をしてくれるのか、ホテルのフロントの方に電話で聞いてもらえばいい。

これらの先生は昼間はスクールの先生をしている(シンチャイ先生は逆)ので、夕方以降か土日しか施術はできず、人気も高いので早めの予約が必要だ。街中のサロンに20回行っても当たらないような感動的な施術を確実に受けられるので是非一度体験すべきだと思う
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かつやのカレーカツ丼

カテゴリ : 
スクール経営
執筆 : 
camel 2013-3-1 17:29
かつやのカレーカツ丼がうまい。

3月下旬までの期間限定商品なのだが、うますぎて既に3回も食べてしまった。かつやはときどきレギュラーメニューではない期間限定商品を出す。その中でも、カレーカツ丼とミルフィーユ牛かつ丼は傑作なのだがなぜかレギュラーにはならず一年に一回くらいしか現れない。

私は普通は、カツはチキンカツよりもトンカツの方がうまいと思っているが、カレー味だとチキンが生きる。本場インドでもカレーで使う肉はチキンなので相性抜群だ。しかも卵とじになっていてカツ丼の出汁も効いている。結果として、普通のカツカレーよりも、普通のカツ丼よりもうまい。しかも、いつも配っている100円割引券を使えばなんと414円である。

チキンカツもビッグだし、500円以下で食えるテイクアウトのものとしては、テキサスバーガーもうまいが、カレーカツ丼が最強なのではないか。こう思っているのはどうやら私だけでないようで、昨日は平日にもかかわらずいつもと違う大混雑。テイクアウトで大量に注文する人もいて、なんと20分も待たされてしまった。

と、どうでもいいことを書き連ねてしまったが、実は現在新しいヨガスタジオをオープンする準備に追われているところである。ヨガスタジオは3店舗めなので、することはわかっているし、難しいことがそんなにあるわけではないのだが、新しく買い揃えるものも最新のいいものにしたいし、看板の写真も撮りなおしたい、スタジオデザインももっとよくしたい、等々、いろいりなものを買ったり、設計デザイナーと打ち合わせしたり、システムを構築したり、約一ヶ月でやらなければならないことは多い。ストレス(いいストレスだが)がかかる。そうなると、ストレス解消にはとにかく食ってしまう。だから今日もかつやへカレーカツ丼を買いに行く(昨日も食べたのだが・・・)。

今度の高円寺のスタジオも美しい仕上がりになりそうです

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イチローの整理整頓

カテゴリ : 
タイマッサージの技術
執筆 : 
camel 2013-1-19 10:26
年末年始のテレビで、イチローのロングインタビュー番組を見た。
イチローの家や滞在先のホテルで話を聞くのだが、最も印象に残ったのはカメラに映りこんだ、彼の着替え用の衣類である。

お店で陳列されているように綺麗に畳んで、寸分の狂いもなく何枚も綺麗に重なっている。

滞在先のホテルである。誰も見ていないし、そこまで綺麗に畳んでも実利は何もない。しかし彼はそれをやる。会社勤めをしているとき、特に工場で現場の整理整頓、そして帰宅時に自分の机の上を綺麗に片付けるというのをうるさく言われていたことを思い出した。

イチローは完ぺき主義者だし、工場も雑然としていると事故のもとになるから、というのはひとつの解釈だし間違いではないだろう。ただ、私もこの年齢になってわかるのだが、本質的にはそういうことではないように思う。
Tシャツを綺麗に畳んだところで何かいいことがあるわけではない。ではなぜ雑然としているといやなのか。それは、イチローが自分の仕事である野球の技術の何に問題があるか、そして、どうすればもっとよくなるかを考えるときに、頭の中で、あるいは体でどこに問題があるのかをひとつひとつチェックしていくのだが、そのすべてのひとつひとつが完全でないと完全でないところが見えてこない。例えばグローブの表面が多少汚れていても捕球には問題がないとしても、そこに汚れがあるということがノイズとなり、ノイズの積み重ねが本来修正しなければならない精妙な何かを見えなくしてしまう。だから、グローブも完全な状態でなければならないし、突き詰めていくと、生活を取り囲むすべてのものがノイズ、雑念を発生しない静かな整理された状態でなければならない。

職場や仕事での整理整頓も同じことだ。精度の高い思考をする人は机の上が散らかっていると集中できない。頭の整理をして、集中力を高める際に同時に、机の上やパソコンのファイルを整理してからでないとスタートできないのだ。私もそうだ。

天才は違うかもしれない。イチローが自分は天才ではないというのはそういうところなのだろう。私生活がぐちゃぐちゃなのに打ちまくる大リーガーのことを天才だと思っているに違いない。

お店の運営や、タイマッサージの技術も、きちんと整理整頓して取り組む人はレベルが高い。サービスも技術も、整理整頓から精度が高まり、ディテールに魂が宿る。どんなにデザインが優れた店舗も、完成されたタイマッサージも、行う人が雑ならば細部のこだわりは見えてこない
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